いつかは妊娠したいけど…今すぐは生めない貴女に
何かしらの事情があって、今は、子供を産むタイミングではないということがありますよね。
妊娠から始まり、出産、育児と様々なイベントがあり、身体的な負担や、費用もかかってくるので、いつ妊娠しても大丈夫!という女性も少ないのではないでしょうか?
WHOによると、世界の中絶の約75%は、経済的な困難や社会的な圧力などの個人的な理由によるものです。
生まれてくる赤ちゃんのためにも、出来れば、自分が望んだ時に妊娠したいと思うのが普通だと思います。

中絶とは
しかし、避妊対策をしていても、「避妊具が破れてしまった」、「望まない性行為だった」などの原因で妊娠してしまうことがあります。
そんな状況にいる貴女に、妊娠を中止する方法、いわゆる「中絶」についてお話ししたいと思います。
絶対に妊娠したくない貴女へ~緊急避妊の種類と使い方
アフターピルと中絶の違い
中絶とは
中絶とは、妊娠を人工的に中断する医療的な処置のことです。
日本では、母体保護法により、妊娠22週未満(21週6日まで)の場合に、一定の条件のもとで中絶が認められています 。
しかし、日本の中絶は、戦後まもなくから大きく変わっていないという問題があります。
例えば、結婚している場合には配偶者の同意が必要とされていますが、これは1948年に制定された旧優生保護法から変わっていない規定です。
未婚の場合や性暴力によって妊娠した場合は法的には相手の同意は必要ありませんが、実際には医療機関から相手の同意の署名などを求められるケースが少なくありません。
このような状況は、女性の人権を侵害し、望まない妊娠や出産を強いることになります。
また、妊娠したくないという気持ちを持つ人は、少なくありません。
日本では、2015年に約20万件の人工妊娠中絶が行われました。
また、2018年には、約15%の女性が子どもを持たないことを希望していました。
妊娠したくない(中絶する)理由は人それぞれですが、どんな理由でも、あなたの気持ちは尊重されるべきです。
妊娠したくないという気持ちに、罪悪感や恐怖を感じる必要はないのではないでしょうか?

中絶とは
中絶の歴史
中絶は、古代から現代まで、人類の歴史において存在してきました。
古代エジプトやギリシャでは、薬草や器具を用いて中絶を行う方法が記録されています。
中世ヨーロッパでは、キリスト教の影響で中絶は罪とされましたが、それでも密かに行われていました。
その後、科学的な知識や技術の発展により、中絶の方法や安全性が向上しましたが、同時に社会的な抑圧や反対運動も強まりました。
そして、20世紀に入ると、女性の権利や人権の観点から、中絶の合法化や自由化が進んだ国もありましたが、一方で厳格な規制や禁止を続ける国もあります。
中絶の禁止や規制は、不安全な中絶や秘密の中絶が増えるため、中絶の数や割合を減らさないどころか、増やす可能性があるとも言われています。
中絶に関する法律
中絶の法律は、国や地域によって大きく異なります。
世界保健機関(WHO)によると、2021年時点で、世界の国々の約40%が中絶を合法化しています。
しかし、そのうち約90%は、特定の条件下でしか認められません。
例えば、妊娠期間や理由(レイプや胎児の障害など)に制限があったり、医師や裁判所の許可が必要だったりします。
一方で、世界の国々の約10%は、中絶を完全に禁止しています。
これらの国では、中絶を行うと刑事罰や社会的制裁を受ける可能性があります。
中絶に対する価値観
中絶の倫理は、非常に複雑で感情的な問題です。
中絶を支持する人々の意見としては、妊娠した女性は自分の身体と未来について決定する権利があり、胎児はまだ人格や感情を持っていないと考えています。
その一方で、中絶に反対する人々は、胎児は生命と尊厳を持つ存在であり、妊娠した女性はその生命を守る責任がある、と考えます。
このように、中絶に関する倫理的な見解は、人間の生命や価値観に関する根本的な問いに関わっています。
中絶の方法について

中絶とは
中絶には2つの方法があります。
経口薬の服用か、手術のどちらかです。
経口中絶薬
経口中絶薬とは、妊娠9週以内に服用することで人工妊娠中絶を行う薬のことです。
2023年4月に「メフィーゴパック」という商品が、経口中絶薬として初めて承認されました。

メフィーゴパック
保険が適用されない自由診療のため、各医療機関によって、費用は異なりますが、大体8万円前後とみられています。
経口中絶薬にはメリットとデメリットがありますので、その内容を紹介します。
経口中絶薬のメリット
- 手術や麻酔が不要なため、身体的な負担や感染症のリスクが低い
- 中絶手術に比べて、子宮に傷をつけるリスクが低い
- 経済的な負担が少ない
経口中絶薬のデメリット
- 副作用がある(出血、腹痛、吐き気、発熱など)
- 服用しても中絶が完了しない場合がある
臨床試験では、重篤な副作用が出た人もいましたが、ほとんどが軽症、中程度の副作用だったとのことです。
経口中絶薬の使用方法
経口中絶薬は2種類の薬を順番に服用します。
1つ目はミフェプリストンという薬で、妊娠を続けるホルモンの働きを抑える効果がある薬剤。
2つ目はミソプロストールという薬で、子宮を収縮させて胎児や胎盤を排出する作用のある薬剤です。
- ミフェプリストンを内服した36〜48時間後に、ミソプロストールを内服
- 服用後に出血や痛みが起こり、数時間から数日で中絶が完了する
- 2週間後に医師の診察や超音波検査を受ける
中絶手術

中絶手術
中絶手術を受けるには、まず指定医師のいる医療機関を受診し、診察・検査を受けます。
診察・検査では、妊娠週数や胎児の成長具合、母体の健康状態などを確認し、中絶手術の適応条件に合致するかどうかを判断します。
また、配偶者や親権者の同意書も必要です。
診察・検査で問題がなければ、中絶手術の日程を決めます。
中絶手術の方法は、妊娠12週未満と12週以降で大きく異なります。
人工妊娠中絶手術は時期によって「初期中絶」と「中期中絶」の2つに分けられます。
初期中絶
11週6日までに行う中絶手術で、掻爬法(そうはほう)、吸引法(きゅういんほう)の2つの方法があります 。
掻爬法は、子宮口を拡張して、小さなスプーン状の器具で胎児や胎盤を掻き出す方法。
吸引法は、子宮口を拡張して、真空状態の管で胎児や胎盤を吸い出す方法です。
掻爬法に比べて、吸引法は、子宮への負担が少なく、手術時間も短いことや、出血も少ないというメリットがあるため、現在は吸引法が主流となっています。
WHO(世界保健機関)も、掻爬法は安全でないとして非推奨としています。
また、出産をしたことのない人の場合、子宮の出口である子宮頚管が閉じているので、手術の前に子宮頚管をある程度拡げるための前処置が必要です。
手術に先立ち麻酔を行い、麻酔が効いたら子宮内容物の除去が実施されます。
費用については、初期中絶の手術は健康保険の適用外であり、自費で行わなければなりません。
医院によって異なりますが、大体12万円から20万円程度かかります。
手術そのものは5分程度で終わるため、日帰りまたは1泊入院で手術を受けることができます。
中期中絶
中期中絶とは、妊娠12週から21週6日までに行われる人工妊娠中絶手術のことです。
妊娠22週以降は、母体保護法により中絶が禁止されています。
中期中絶は、初期中絶と比べて手術方法や費用、リスクなどが大きく異なります。
中期中絶の手術方法は、主に以下の2種類があります。
- 子宮収縮剤を使って人工的に分娩をさせる方法
- 鉗子(シザープライヤ)を使って分娩する方法
どちらの方法も、子宮頸管拡張材(ラミナリア)という棒状の物質を手術の前日に子宮頸管に挿入しておく必要があります。
これは、子宮頸管を柔らかくしておくことで、胎児と胎盤を取り出しやすくするためです。
ラミナリアの挿入は痛みを伴う場合がありますので、医師に相談してください。
また、手術時間は早くても30分~1時間以内です。
子宮収縮剤を使って人工的に分娩をさせる方法は、子宮の筋肉を収縮させる薬を投与し、出産と同様に陣痛を起こして子宮から胎児と胎盤を出す方法です。
この方法では、出産と同様の痛みが生じますので、静脈麻酔や笑気麻酔などで痛みを和らげます。
一方、鉗子(シザープライヤ)を使って分娩する方法は、人工的に陣痛を起こさせる薬の効きが弱い場合や胎児が大きい場合に用いられる方法です。
鉗子というハサミのような手術道具を使って胎児を引き出します。
もちろん、この方法でも静脈麻酔や笑気麻酔などで痛みを和らげます。

中絶とは
中期中絶の手術費用は、妊娠週数や手術方法によって異なりますが、一般的には40万円から90万円程度。
保険適用はされませんので、全額自己負担となります。
また、入院費や火葬費なども必要です。
初期中絶とは違い、中期中絶後は、役所に死産届や死産証書などの手続きが必要です。
法律に従って正しく手続きを行ってください。
中期中絶は、初期中絶と比べてリスクが高い手術です。
子宮破裂や感染、出血などの合併症が起こる可能性があります。
中絶後の心身のケア
中絶後は、しばらくは普段にも増して体調の変化や不正出血に気を配る必要があります。
中絶手術は身体的だけでなく精神的にも大きな負担となります。
不安や罪悪感、悲しみなどの感情が起こることもあるでしょう…
その場合は、医師や看護師、カウンセラーなどに相談することが大切です。
中絶をしなくて済むように、避妊対策をしましょう
低用量ピル
低用量ピルとは、女性の月経周期に合わせて服用する避妊薬の一種です。
低用量ピルは、卵巣から卵子が排出されるのを抑えたり、子宮内膜が厚くなるのを防いだりすることで、妊娠を予防します。

中絶とは
低用量ピルは、避妊効果だけでなく、月経不順や月経困難症などの症状を改善したり、子宮内膜症や卵巣嚢胞などの疾患の予防にも役立ちます。
低用量ピルとは
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子宮内避妊具(IUD・IUS)

IUS(ミレーナ)
子宮内避妊具とは、子宮の中に入れる小さな器具で、妊娠を防ぐ方法です。
あの若益つばささんも、IUSを使用しています。
子宮内避妊具には、銅やホルモンを含むものがあります。
子宮内避妊具は、医師によって挿入され、種類にもよりますが、最長10年間使用できます。
子宮内避妊具は、高い避妊効果があり、取り外すとすぐに妊娠能力が回復します。
ピルを飲み忘れてしまう貴女には、芸能人も使っているIUS(ミレーナ)が合っているかも?
IUD(子宮内避妊器具)について~ピルを毎日飲むのが面倒な貴女へ
アフターピル
アフターピルとは、緊急避妊薬のことで、避妊に失敗したり、性暴力の被害にあったりした場合に、妊娠を防ぐために服用する薬です。
妊娠が成立する前に服用するものなので、中絶とは全く違います。
アフターピルは黄体ホルモンを含み、排卵を抑制したり、子宮内膜の状態を変えて着床を妨げたりする効果があります。
アフターピルは、性行為後72時間以内もしくは120時間以内に服用する必要があり、早ければ早いほど効果が高いとされています。
ノルレボ法によるアフターピル(緊急避妊ピル)ならコレ!
→性交後72時間まで使用可能
エラ(エラワン)~ウリプリスタル酢酸エステル
→性交後120日まで使用可能
病院やオンライン診療、個人輸入代行会社から購入など、入手方法は比較的多いです。


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