2つの女性ホルモン
女性ホルモンとよばれるのはこの2つです。
- 卵胞ホルモンである、エストロゲン
- 黄体ホルモンである、プロゲステロン
エストロゲンは女性の体形や皮膚などの健康を維持する役割を持ち、プロゲステロンは妊娠や月経を調節する役割を持ちます。
この2つの女性ホルモンは、一定の周期でそれぞれの分泌量のバランスを変えながら、体の状態を保っています。
卵胞ホルモン(エストロゲン)の働きとは
- 女性らしさを作る
思春期には、乳房や性器、皮下脂肪を発育させ、丸みをおびた女性らしい体をつくります。
皮膚、骨、筋肉、脳、自律神経などの働きにも関係しています。
- 妊娠の準備する
受精卵のベッドとなる子宮内膜を厚くして、精子が入ってきやすい環境にします。
- 基礎体温を下げる働きがある
- 心身共に安定させる
エストロゲンの分泌が多い時期(卵胞期)は、体調が良い時期です。
生理の終わり頃から、排卵前にかけて分泌が多くなります。
- 時期によって変わる分泌量
思春期から分泌量が多くなり、30代でピークに達し、更年期になると減少していきます。
- その他
エストロゲンは、子宮周り以外に身体全体にも作用し、コレステロールを抑えたり、肌の新陳代謝を促進する働きがあります。
また、免疫力や自律神経、代謝を活発する働き、アルツハイマー病、大腸がんの発症率を抑制する働きも。
体内のカルシウム量の調節に深く関わるため、骨粗鬆症の予防にも役立ちます。
しかし、多すぎると乳がんや子宮がんの発症率を高めると言われています。

黄体ホルモン(プロゲステロン)とは
- 妊娠・出産に適した身体を作る
赤ちゃんを育てやすい体を作る役割をします。
体温を上げたり、骨盤内に血液をため込んだり、水分を体内に貯えたり、食欲を増進させたり、乳腺の発育を促すなどの作用があります。
- 妊娠を助けるホルモン
卵胞ホルモンによって厚くなった子宮内膜をさらに厚くして、受精した受精卵を着床させやすくします。
また、排卵前にはおりものの分泌を増やして、精子が子宮の中に入りやすい環境を作ります。
排卵が終わると、卵胞ホルモンの分泌は減り、おりものの量も減少します。
- 時期によって変わる分泌量
排卵期と月経期の間のプロゲステロンの分泌が多くなる時期を、黄体期と言います。
通常、排卵が起こるのは月経周期の約14日目であり、その後すぐに黄体期が始まります。
黄体期は、腹痛、腰痛、頭痛、むくみ、精神的に不安定になるなどが出ることもあります。
こうした症状が酷くなると、月経前症候群(PMS) と呼ばれます。
- 妊娠すると分泌量が変わる
妊娠すると、妊娠してから約3ヶ月間、プロゲステロンが多く分泌され、子宮の収縮を抑制して、赤ちゃんが育ちやすい子宮環境を作ります。
一方、妊娠しなかった場合、黄体ホルモンの分泌量が減少し、約2週間後に内膜が月経血となって体外に排出されます(生理)。
- その他の作用
プロゲステロンは体内の水分や栄養素を溜め込む作用があるため、体内循環が滞り、むくみや頭痛などの症状も現れやすくなります。
また、「マタニティブルー」も急激なホルモンの変化が影響しています。
女性ホルモンは、脳の指令で分泌される
女性ホルモンの分泌をつかさどっているのは大脳です。
この流れを見るとわかるように、脳にある視床下部と下垂体が、女性ホルモンをコントロールしています。
- 間脳にある視床下部からGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が分泌される
- ゴナドトロピン放出ホルモンは、脳下垂体を刺激する
- ゴナドトロピン放出ホルモンによる刺激を受けた脳下垂体から、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)が分泌される
- 卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンは卵巣を刺激し、ホルモンを分泌するよう指令がでる
- それにより、卵巣が働き、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌される
月経と女性ホルモンの働き
- 脳下垂体から、性腺刺激ホルモンの卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌される
- 卵胞刺激ホルモンが卵巣に届くと、卵巣の中にある原始卵胞を刺激し、その中のひとつが成長をはじめる
- 発育した卵胞から、卵胞ホルモン(エストラジオール)が分泌され、これが子宮内膜に働きかけて、徐々に内膜を厚くしていく
- 卵胞ホルモン(エストラジオール)の分泌量がピークに達すると、下垂体から黄体化ホルモン(LH)が分泌される
- 黄体化ホルモンが卵巣に届くと、成熟した卵胞は刺激され、卵子が飛び出す(排卵)
- 排卵後、卵子が出ていった卵胞は「黄体」に変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)を多量に分泌しはじめる。同時に、卵胞ホルモン(エストラジオール)も少量だが分泌される
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮内膜に働きかけ、受精卵がいつでも着床できるよう、準備をする
- 受精が成立しないと、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストラジオール)の量は激減し、子宮内膜もはがれ、月経となって体の外に出て行く
脳と女性ホルモンの関係
卵巣からのホルモン分泌量は、常に脳がチェックしていて、増減があればその都度、指令を出しています。
司令役である視床下部は、ストレスの影響を受けやすく、何かのきっかけでストレスを感じると、ホルモンバランスに影響が出ます。
生理不順はもちろん、自律神経、血行、免疫など体の様々な場所に影響がでることで、冷えやむくみ、体のだるさなどの体調不良を引き起こします。
女性ホルモンが不足するとどうなる?
女性ホルモンが正常に分泌されないと、このような症状が出てきます。
- 月経不順(生理不順)や無月経
- 自律神経の乱れ
- 頭痛、めまい、イライラなどの体調不良
- 卵巣の働きが落ちてきて女性ホルモンの分泌量が減る
ホルモンが分泌される場所(視床下部・脳下垂体・卵巣)で、どこの分泌が悪いかは血液検査でわかります。


コメント