低用量ピルを飲み忘れたり、コンドームが破れたり、はずれたり、そもそも付けなかったり。
また、性暴力の被害にあった女性にとって、警察や病院に行くことはまだ抵抗感が強く、政府の調査によると、警察や医療関係者、ワンストップ支援センターに相談した人は数パーセントにとどまるそうです。
「妊娠しちゃったらどうしよう・・」と不安な日々を過ごすのは、女性にとって本当に辛いことです。
アフターピルの市販化というのは、町のドラッグストアでアフターピルが買えるようになるということです。
緊急避妊ピルの市販化に厚労省が動いた
セックスの後、72時間以内に服用すれば、望まない妊娠を高確率で防ぐことができるとされる緊急避妊薬(アフターピル)の市販化について、厚生労働省は2023年の夏頃から一部の薬局で試験的に販売する案を示したそうです。
具体的には、アフターピルの医療用医薬品から要指導・一般用医薬品への転用(スイッチOTC化)が検討されたのです。
アフターピルが医師の処方箋がなくても、薬局で適正に販売できるのかを検証する調査は2023年の夏頃から始め、24年3月末までを予定しています。
なぜ日本では緊急避妊ピルの普及が遅れていたのでしょうか?

世界では当たり前の緊急避妊ピルの市販化
現在、日本で認可されている緊急避妊薬は、「レボノルゲストレル」というホルモン製剤を成分とした錠剤で、WHO(世界保健機関)では、必須医薬品に指定されています。
この緊急避妊ピルは、世界では約90の国・地域で、医師の処方箋なしに薬局等で入手できるそうです。
緊急避妊薬のスイッチOTC化は、国際的な時流に乗るための検討です。
WHOは2018年に「意図しない妊娠のリスクに直面するすべての女性と少女は緊急避妊の手段にアクセスする権利がある」と宣言し、2020年4月には薬局での販売の検討も各国に提言しました。
こうした国際的な時流に乗るため、日本も男女共同参画基本計画にて「処方箋がなくても緊急避妊薬が購入できるよう検討する」という明記を行い、厚生労働省は2021年からスイッチOTC化に向けて再検討を始めました。
よく言えば、慎重。悪く言えば、わからずやで遅いのが、日本なのですね。
今、この時も、妊娠の恐怖と闘っている女性がいるかもしれないのに・・
緊急避妊ピルが今必要なら、この方法です。
緊急避妊ピルの市販化~日本人の意識は?
「緊急避妊薬のスイッチOTC化」に関する評価検討会議では、2年間にわたり7回の議論が行われました。
2023年5月12日、
厚生労働省が緊急避妊ピルの市販化についてパブリックコメントを実施した結果、寄せられた意見は4万6312件。
多くの市民や専門家からの賛成意見は約98%にも上ったそうです。

緊急避妊ピルの市販化~今後の問題点は?
今回の緊急避妊ピルの試験的な販売の決定は、厚労省が、パブリックコメント(世論)に押しされた結果、やむを得ず出した方針ともいえます。
緊急避妊ピルの普及に向けては、一歩踏み出したようにも見えますが、まだ、大きな問題が残っています。
まず、試験販売できるのは、緊急避妊薬の調剤実績がある薬局を中心に、4つの要件を満たさなければならないとされているのですが、その条件がなかなかのきびしさなのです。
緊急避妊ピルを試験販売できる薬局の4つの条件
- オンライン診療に基づく緊急避妊薬の調剤の研修を修了した薬剤師が販売する
- 夜間及び土日祝日の対応が可能
- プライバシー確保が可能な販売施設(個室等)がある
- 近隣の産婦人科医、ワンストップ支援センターとの連携体制を構築できる
全国には6万軒以上の薬局があるそうですが、この条件をクリアできる薬局は、最大でも335カ所にしかならない見込みなのです。
厚労省は、本当に頭が固いですよね。
緊急避妊ピルの市販化にはこんなにメリットがあるのに・・
緊急避妊ピル(アフターピル)の市販化のメリット
現在、緊急避妊薬は医師の処方箋が必要であり、緊急を要する場合でも入手が難しいという問題があります。
簡単に手に入る便利さ
緊急避妊ピルの市販化が実現すると、薬局で手軽に購入できるようになるため、妊娠を望まない状況での対応が迅速になります。
例えば、金曜日の夜に危ないエッチをしてしまっても、土日には医療機関がやってなければ、アフターピルの服薬のタイムリミットまでに、入手することが出来なくなります。
それから、
住まいの近くに病院やクリニックがない場所に住んでいるような、アクセスの問題も解決します。
ドラッグストアで緊急避妊ピルが買えるとなると、多くの女性が救われるでしょう。

避妊意識の向上
緊急避妊ピルが簡単に買えることで、避妊をあきらめていた女性を救うことが出来るようになります。
また、
避妊に対する意識が高まる効果も期待でき、望まない妊娠を減らす手助けとなるでしょう。
女性の権利と健康の保護
妊娠の不安と闘うのは女性ばかりです。
性行為でのリスクは女性の方が圧倒的に多いのが現状です。
女性が自らの意思で対策を取ることができる環境づくりは、とても重要です。
緊急避妊ピルの市販化は、女性の権利と健康を保護するための重要な一歩となります。
緊急避妊ピルの市販化の課題と対策
モチロン、いろいろと解決しなければならない課題もあります。
情報提供の重要性
緊急避妊ピルの市販化に伴い、正しい情報の提供が必要になります。
緊急避妊ピルの正しい使用方法や副作用などについて、適切な情報を提供することで、安心して使用できる環境を整えることが大切です。
適切な指導の必要性
医師の処方箋なしで、緊急避妊ピルが購入できるようになるため、適切な指導が必要です。
薬剤師や保健指導者が丁寧な説明と相談に応じることで、安全な使用が促進されます。

価格の配慮
緊急避妊ピルの市販化では、価格の設定も重要な課題です。
できるだけ多くの人に手軽に利用してもらえるような価格設定を心掛けることが望ましいでしょう。
悪用への対策
市販化によって緊急避妊ピルが入手しやすくなると、悪用のリスクも懸念されます。
医薬品の販売ルートや使用状況を管理する仕組みを整えることで、悪用を防止する対策が必要です。
緊急避妊ピルの市販化がもたらす変化
「アフターピル」「モーニングアフターピル」「プランB」などとも呼ばれ、望まない妊娠を回避することが出来るのが、緊急避妊ピル(アフターピル)です。
緊急避妊ピルの市販化によって、日本の避妊環境は大きく変わることでしょう。
望まない妊娠から女性を守ることで、避妊意識の向上や女性の権利と健康の保護が強化されることが期待されます。
「コンドームが外れてしまい、生理が来るまで不安で仕方なかった」とか、「ついつい、なりゆきでセックスしてしまった。妊娠していたらと思うと怖くて・・」とか、避妊が必要なことがわかっていても、男女のことは、思わぬ展開になることも珍しくありません。
すべてのセックスが、避妊可能な状況で行われるとは限らないのです。
また、不幸なレイプだってあります。不安になるのはいつも女性サイドです。
日本の場合、婦人科など緊急避妊ピルを扱っているクリニックで診察を受けないと処方してもらえないという現状があるので、週末に避妊に失敗してしまったら、連休明けにクリニックで緊急避妊ピルを処方してもらっても間に合わないというケースだってあるのです。
早く緊急避妊ピル市販化が実現すると良いですね。


コメント